<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 吹笛>
<Format: 格式不明>
<Year: 1965>
<BookName: 唐詩選　下>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 笛（ふえ）を吹（ふ）く>
<BookPage: 131>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
吹笛秋山風月清，
誰家巧作斷腸聲。
風飄律呂相和切，
月傍關山幾處明。
胡騎中宵堪北走，
武陵一曲想南征。
故園楊柳今搖落，
何得愁中曲盡生。
<End Poem>
<Translation>
笛を吹いている!山は秋になって氣がすみ、風も日も冴えているなかに! があんなに巧みに、聞くものの腸がちぎれるような悲しい音を出しているのか。風は律呂のしらべをひるがえして、空中にただよわすたえなるハーモニー! 月は關山の峯々にそうてどこまでも、あちらこちらを明るく照らし出していることだろう。
あまりにも切ない、やるせないひびき。そのむかし、北國に侵入してきた胡人の騎兵の大集團が、城中から聞こえる哀調切々たる胡笳の音に懐郷の情をかきたてられ、包圍をといて泣きながら逃げて行ったというあれではないか。また後漢の伏波將軍馬援が蠻族の反亂を討って武陵に軍を進めたとき、門下の笛の名手が吹きならすしらべに合わせて、有名な「武溪深」の歌を作り、「滔々たる武溪、一に何を深き」とうたったという故事も思い出される。
わがふるさとの柳ば、いまは葉という葉が黄に落ちてみんな枯木立になっているだろう。それなのに、この「折楊柳」の曲に聽きほれていると、笛の音がいよいようれいにふさがるわたしの胸のなかに、忽然として綠に搖れる柳の木々があらわれ、その枝を折りとって別れのなげきをくりかえすとは。いったいどうしたことだろうか。 
<End Translation>
<Formatted Translation>
笛を吹いている!山は秋になって氣がすみ、風も日も冴えているなかに!
があんなに巧みに、聞くものの腸がちぎれるような悲しい音を出しているのか。
風は律呂のしらべをひるがえして、空中にただよわすたえなるハーモニー! 
月は關山の峯々にそうてどこまでも、あちらこちらを明るく照らし出していることだろう。
あまりにも切ない、やるせないひびき。そのむかし、北國に侵入してきた胡人の騎兵の大集團が、城中から聞こえる哀調切々たる胡笳の音に懐郷の情をかきたてられ、包圍をといて泣きながら逃げて行ったというあれではないか。
また後漢の伏波將軍馬援が蠻族の反亂を討って武陵に軍を進めたとき、門下の笛の名手が吹きならすしらべに合わせて、有名な「武溪深」の歌を作り、「滔々たる武溪、一に何を深き」とうたったという故事も思い出される。
わがふるさとの柳ば、いまは葉という葉が黄に落ちてみんな枯木立になっているだろう。
それなのに、この「折楊柳」の曲に聽きほれていると、笛の音がいよいようれいにふさがるわたしの胸のなかに、忽然として綠に搖れる柳の木々があらわれ、その枝を折りとって別れのなげきをくりかえすとは。いったいどうしたことだろうか。 
<End Formatted Translation>